エリザベス女王とイギリス王室はブレクジットで混乱が起きたら避難する?歴史的事例を調べてみた #EU崩壊

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ブレクジットによりエリザベス女王&イギリス王室は避難する?

 イギリス  EU離脱 (Brexit,  ブレグジット )を受け、混乱が生じた際、 エリザベス女王 を始め イギリス王室 はどうなるのだろう、という問いに対して注目が集まっています。ドイツ在住9年の筆者が 海外の反応 (ドイツの反応)をまとめます。

30カ国語で報道しているドイツの国際的なメディア「Deutsche Welle (ドイチェ ヴェレ)」でも記事が公開されていました。記事の一部を下記に訳して引用として使用させて頂きます。

もし混乱が発生したら、イギリス王室は秘密の場所へ避難を強いられるかもしれないとイギリスのメディアが伝えた。合意なきブレクジットによりビジネス、人々、そして政府は万一の事態に備える必要が出てきている。

Deutsche Welle, NEWS, “Queen Elizabeth to be evacuated in case of Brexit riots“, Date 03.02.2019, Author Nik Martin

緊急時のイギリス王室避難 – 歴史的事例

イギリス王室の避難計画 – キューバ危機

国の緊急時にイギリス王室がロンドンから別の場所に避難するという計画は、今始まったものではなく、以前から存在していたもののようです。

例えば1960年代のキューバ危機の際にイギリス王室をロンドン以外の場所にある王室の住居に避難させるというアイデアがありました。更に警戒感が高まった場合は「HMS Britanniaブリタニア)」という女王の船に乗ってスコットランド北西方面へと避難する計画だったようです。

「HMS Britannia 」(日本語ではブリタニアと呼ばれます) と言えば元々は1900年はじめに作られたイギリス海軍の戦艦として知られています。

エリザベス女王&イギリス王室は本当にロンドンから逃げるだろうか?

ただ、エリザベス女王を始めイギリス王室は本当にロンドンから逃げてしまうだろうか、という疑問もありますよね。

国を象徴する存在でありながら、国が危機的状況にある時に、しかももしかしたら死者や負傷者が出るほどの混乱になるかもしれないような時に、イギリスの女王/王室のメンバーである自分たちだけ安全地帯へ逃げてしまって良いのか。自分が象徴する国であるイギリスの国民たちが苦しんでいるというのに、女王/王室のメンバーである自分たちだけ安全で快適な環境に保護されて、恥ずかしくないのか…。

個人的には緊急時には特に「自分は自分」という考え方が強くなるため、自分が逃げたくて、しかもそれが実行できる用意があるのなら安全地帯へ逃げてしまって全く問題ないと思うのですが、女王や王室のメンバーという立場となるとどうなんでしょうね…。

逃げなかった女王&イギリス王室 – 第二次世界大戦中の緊急時

そこは彼らのみぞ知るといったところだと思いますが、ドイチェヴェレの記事によると過去(第二次世界大戦中)の緊急時に、女王をはじめイギリス王室は勇敢にも逃げずに国民と共にロンドンに留まり続けたという記載があります:

第二次世界大戦中、ロンドンがいわゆる「The Blitz」と呼ばれるナチスドイツによる8ヶ月近くにも及ぶ爆破攻撃のターゲットになったにも関わらず、イギリス王室はロンドンに留まったという有名な話がある。

DEUTSCHE WELLE, NEWS, “QUEEN ELIZABETH TO BE EVACUATED IN CASE OF BREXIT RIOTS“, DATE 03.02.2019, AUTHOR NIK MARTIN

Blitz (ブリッツ) はドイツ語で稲妻

Blitz (ブリッツ) はドイツ語で稲妻という意味で「Bitzkrieg (稲妻戦争)」の略称です。稲妻戦争とは、当時早々に勝利を手にするために集中して攻撃する軍事キャンペーンを意味したそうです。恐ろしいですよね。

日本では馴染みのない言葉かもしれませんが、ドイツに住んでドイツ人と日々関わり、ドイツのメディアから情報を得る生活を数年続けていると、自然といつか覚える言葉だと思います。過去の、しかも戦時中のネガティブな言葉ではありますが、ドイツでは非常に有名な言葉です。

イギリス撤退を余儀なくされる多国籍企業

また日曜日には、イギリスの自動車製造業の30%シェアを誇る日本の自動車メーカー日産は、新しいSUV*モデルの生産拠点をブレクジットのせいでイギリスから日本に変更しなければならないと、ブレクジットを非難した。

DEUTSCHE WELLE, NEWS, “QUEEN ELIZABETH TO BE EVACUATED IN CASE OF BREXIT RIOTS“, DATE 03.02.2019, AUTHOR NIK MARTIN

*「Sport Utility Vehicle」の略で日本語では「多目的スポーツ車」という意味になります。日常からレジャーまで、多目的に活躍する自動車ということですね。日本では80年代頃から普及し始めました。

合意なきブレクジットのせいで、イギリスから撤退を余儀なくされる多国籍企業は日産に限らず多くあると思います。

イギリスを衰退させる本末転倒なブレクジット

イギリスは、自国にメリットをもたらすからEUから離脱するのが良い考えだと思って実行しているわけですが(もちろんブレクジットに賛成の票を投じた国民は全体の半分しかおらず、ほとんどが年配の方や田舎に住む保守層で、国際的でアカデミックな人々はブレクジットに反対しています)それにより多くのビジネスや人がイギリスを離れることとなります。

結果として多くの雇用機会を失い、経済的に衰退するのではと思いますが、これはブレクジット支持者にとっては本当に望ましいことなのでしょうか?

伝統、言語や文化などを含めた「イギリスらしさ」を取り戻したいという観点からは、イギリスがEUから離脱したい意思はわからなくもありません。

でも経済的に見ると、イギリスにとってEUへの資金を自国に回せるというメリットはあるのかもしれませんが、多大なる雇用機会の喪失による打撃は本末転倒だし無視できないのではと思います。

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