日本オリンピック委員会 (JOC) の竹田恒和会長がオリンピック招致時の贈収賄疑惑でフランス当局から容疑をかけられているニュースに関する海外の反応をドイツ在住者がまとめました。
東京五輪開催まであと1年半
2020東京五輪開催まであと1年半を切ったということで、日本中で五輪ムードがどんどん高まってきているのではと思います。そんな時に水を差すようなニュースが入ってきました。
こちらのスキャンダルが報道されたのは今回が初めてではありませんが、今回はJOC竹田恒和会長の辞任も伴うなど、具体的な続報という形でネガティブ色が更に強まってきている印象です。残念ですよね 🙁
ドイツの国民的ニュース番組「tagesschau (ターゲスシャオ) 」でも、記事が公開されていました。記事の一部を下記に訳して引用として使用させて頂きます。
JOC竹田恒和会長の辞任表明
日本オリンピック委員会(JOC)の会長、竹田恒和氏は200万ドルを支払う代わりに2020年のオリンピック開催地候補として東京を有利に進めたと報道されている。贈収賄疑惑に際して、竹田恒和氏は辞任を表明した。
tagesschau, Tokio 2020, “Korruptionsverdacht – Japans NOK-Chef tritt zurück“, Stand: 20.03.2019 12:30 Uhr
JOC竹田恒和会長は自身の無実を主張しながらも、定年を迎える6月末で辞任する旨を表明されました。
竹田恒和元会長はフランス当局から容疑をかけられた
竹田恒和元会長はフランス司法当局から容疑をかけられているということですが「なぜフランス?」と思いませんか。
国際オリンピック委員会が設立されたのはフランスのパリが始まりのようですが現在の本拠地はスイスのローザンヌですし、なぜにフランス…。なんでも、フランス検察がこの一連の疑惑を最初に発見したから、という背景があるようです。
ゴーン逮捕事件との関連説
でも日本人の間で多く語られているのは、ゴーン逮捕事件への報復、という見方。その可能性もゼロではないのかもしれませんが、もし本当にそうなのだとしたらフランス司法当局はちょっと無理矢理だな、という印象を受けます。
フランス国籍を持っているゴーン氏が日本で逮捕され、裁判にかけられた訳ですが、それはゴーン氏が日本企業のトップであり、日本も拠点のうちの1つにしながら活動されていたからですよね。
この場合は他の国ではなく、日本の当局が疑いを持ち始めたのも納得です。でも竹田恒和元会長の場合は、フランスと直接的には関連がない方のように見えます。フランスを活動拠点の1つにされていたというわけでもなさそうですし…。
そのため、ゴーン逮捕事件の報復というよりは、本当に最初に謎の送金を確認したのがフランス当局で、または一般的にオリンピック関連のいざこざではフランスの当局が絡みがちだ、などの他の何か要因があってのことだと思います。
日本人的な視点では、ゴーン逮捕事件の報復と結びつけたくなる気持ちもわからなくはないですが…。
東京五輪の膨大なコスト
また、記事では東京オリンピックのコスト面についても懐疑的な記述が見受けられます:
2020年五輪ではより持続可能性、謙虚さそして透明性にフォーカスしていくというIOCの約束はまだ果たされていない。日本の会計監査院は先週、東京五輪のコストは220億ユーロに及ぶと割り出した。招致の際のスピーチでは60億ユーロと見積もっていたにも関わらず。
TAGESSCHAU, TOKIO 2020, “KORRUPTIONSVERDACHT – JAPANS NOK-CHEF TRITT ZURÜCK“, STAND: 20.03.2019 12:30 UHR
五輪開催まであと1年半もない中で、開催国のオリンピック委員会の会長が辞任するのは異例の事態とのこと。竹田恒和元会長の有罪/無罪に関わらず、世界にネガティブな印象を与えてしまっているのは事実です。
素人目線からは真相はわかりかねますが、他の国から「東京は賄賂で五輪開催を勝ち取った」みたいに思われたら悲しいですよね。特に日本人はオリンピックが大好きで、こんなにも2020年東京五輪に向けて全力を注いでいるからこそ…。東京もどんどん進化していっていますよね。
ドイツではオリンピックは人気がない
ドイツはと言うと、オリンピックはそんなに人気がない印象です。もちろんニュースで報道されますし話題にあがったりもしますが、やはりドイツはサッカーの国。
ワールドカップ開催中の方がオリンピックより文字通り「遥かに」盛り上がります。オリンピックでそこまで国中が盛り上がったところを見たことがありません。
なぜ日本人はこんなにもオリンピックが好きなのでしょうね?やはり「国を掲げてチームで何かを行う」ことに魅力を感じる国民性なのでしょうか。
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