【海外の反応 ドイツより】 3.11から9年目突入 – 復興への努力, 放射線量/被災地の今と福島の若者離れ対策

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東日本大震災については、毎年3月のこの時期になると日本の復興状況についてドイツでも報道があります。東日本大震災発生から8年となる今年の海外(ドイツ)の反応について、ドイツ在住9年の筆者がわかりやすくまとめます。

今年もこの時期がやってきました – 3月上旬。

東日本大震災から8年

8年前までは、学生さんにとっては卒業シーズンの季節 – 別れもあり、ちょっと寂しい気持ちにもなりがちですが、4月から始まる新生活に心躍らせる季節、ただただそんな時期でした。

もちろん今もそうではありますが、2011年3月11日に起きた東日本大震災とそれに起因する津波による、福島第一原発事故。世界中を恐怖におののかせた、災害大国日本の歴史においても稀に見る大災害、大惨事。

8年前から、3月上旬と言えば「もうすぐ3.11から〜年だ」という、卒業などとはまた違った別の感情が、日本人の心に浮かび上がるようになりましたよね…。

ドイツの国民的ニュース番組「tagesschau (ターゲスシャオ) 」でも、数日前からポツポツと東日本大震災、そして「Fukushima」についての報道が見受けられるようになってきました。

下記の記事は、去年のこの時期に公開された記事を再度部分的にアップデートして公開しているようです。

そのため「〜年前」などの数字が今年の視点で考えると1年古いところが部分的に見られますが、この記事の内容は今年読んでも非常に詳しい情報に富んだ内容となっています。そのため、記事の一部を下記に訳して引用として使用させて頂きます。

追悼式にて、日本は7年前の津波と福島の原発事故で犠牲になった方々のことを想った。政府はこの地域を以前の通常の状態に戻すことに尽力している – その成果は限られているようだ。

tagesschau, Fukushima sieben Jahre danach, “Zwischen Trauer und mühsamer Normalität” Stand: 02.03.2019 17:39 Uhr, Von Jürgen Hanefeld, ARD-Studio Tokio

今年で東日本大震災、津波そして福島第一原発事故の発生から8年となりますが、あらためて犠牲者の方々のご冥福を心よりお祈り致します。

被災地の現在 – 放射能による影響

福島の地元産食品

福島にある農業関連の研究所では、福島産の魚、肉や野菜をミンチ状にし、放射線量を30分以上かけて計測しているそうです。その結果によると、綿密な科学的な検査の結果、これらの食べ物は無害だということが証明されたそうです。

素人的には、実際福島産の食品てどうなんだろう、と懐疑的に思ってしまいますが、過去7年間の間それだけ多くの食品がこれだけ厳密に科学的に検査されてきて、その結果が無害なのであれば大丈夫なのだろう、と少しは安心できますよね。

この研究所にお勤めの方も、お嬢さんに福島産の食品を食べさせているそうです。専門家でさえ我が子に食べさせることができるほど、福島産の食品は完全に安全に戻ったと胸を張れることは素晴らしいことですし、かなり説得力があると思います。

海外でも、例えばタイは福島産の魚の輸入を再開されたそうです。

これだけ聞くと「あれ、復興に向けてとても上手くいっているのではないか」と思いますが、なぜ見出しではネガティブなトーンが含まれているのでしょうか…?

福島産の食品や、福島の自然の放射線量が安全なレベルまで下がった、と言っても例外もあるようです。降水量が多い時期は、放射性の化学物質が山から川へと流れ込み、魚から通常より多い量の放射線が検出されたりするそうです。

福島の居住エリア

人々が多く住む居住エリアでは汚染は取り除かれクリーンな状態になりましたが、人があまり立ち入らないような森林の深いエリアは今も汚染されたまま、というのが実情だそうです…。

あれだけの大事故だったわけですから、7〜8年経過しただけでは全てを完全に元通りにすることは非常に困難であることは推測できます。ただ、1点心配なのは、人々の生活エリアはクリーンだと言われても、そこから決して遠くないエリアにある森林は今も汚染されたままというのはかなり恐ろしくないでしょうか?

降水量が多い時に雨水をつたって汚染が流れてくるというのは十分理解できますし、それだけでなく風向きによっては空気から汚染が伝わってくる、ということは本当にゼロなのでしょうか…?

こういった疑問は、地元の方も当然持つことだと思われます。飯舘村では避難命令や居住禁止令は解除されているようですが(つまり安全に暮らせるレベルと政府が正式に判断したということ)事故前に比べて住民の数は遥かに少ない – およそ10%以下 – ということです。

若者離れ対策

若い世代に戻ってきてほしくて、政府は新たな小中学校の建設に大金を注いでいるようで、福島県は無料の給食やスクールバスを提供しているそうですが、にも関わらず戻ってくる住民は少ないということでした。

正直、戻らない人々の気持ちは良くわかります。いくら政府や専門の研究機関に、科学的な綿密な調査に基づいて安全、と言われたとしても放射線は目に見えないものですし、その影響も何年も経ってからでないとわかりにくいものだったりします。

特に若い世代や、お子さん連れの家庭などは、まだまだこれから長い人生、放射線によるリスクをとりたくはないと思います。福島で生まれ育って、家族も親戚も代々福島、というような方は、もちろん地元に強い思い入れがあるのも良くわかります。でもやはり健康第一、と考える若者やファミリーが多いのではないでしょうか。

馴染んだ場所から離れることや、慣れた生活から異なる環境に移ること – 要は「変化」というのは、人にとって時にワクワクするようなポジティブなものでありながら、大半の場合は避けたいもの、ストレスを感じるようなネガティブなものだと思います。

コンフォートゾーンから抜け出す

自分を成長させたかったら「コンフォートゾーン」から抜け出そう、といった言葉を時折耳にしますが、これも要は「人は変化を嫌う」という特徴から起因する発想ですよね。

変化に柔軟に対応できる人は強い – ビジネスにおいてはそいうった人は優秀なビジネスマン/ウーマンとして評価されるでしょうし、プライベートにおいても、適応能力があって世渡り上手的な印象を周囲持ってもらえることでしょう。

特に「変化」が起きるまでの環境が気に入っていて非常に快適だった場合、訪れた変化が受け入れ難いものだというのは容易に想像がつきます。

でも、何が起きるのか全く予想がつかないのが人生。受け入れ難い変化が急にやってきたとしても、その時その時で自分なりにベストだと思える判断をしながら、乗り越えて、納得いく人生を歩みたいものですね。

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