今回は、新年一般参賀に関するドイツの反応です。
ドイツでは日本のニュースも多い
ドイツは日本から地理的にも遠く離れているし、文化的にも西ヨーロッパ と東アジアではかなり異なっているし… 日本のことがドイツでニュースになるなんて、滅多にないのではと思う方もいらっしゃるかもしれません。
でも、意外と日本の話題はドイツのニュースで定期的にしっかりと伝えられています。ドイツのニュースは、欧州のことに限らず、特に主要国の大きなニュースであれば、地理に関係なく報道する傾向にあります。もちろんドイツ国内やEUの話題が優先なのは当然ではありますが。
逆に日本でも、重要な話題であればいくら遠く離れていてもドイツやEUについて詳しくニュースが報道されることは、多々ありますよね。
明仁天皇陛下最後の新年一般参賀についての報道
新年が明けまして、ドイツでも国民的ニュース「tagesschau (ターゲスシャオ)」にて平成の天皇陛下最後の新年一般参賀についてのニュースがありました。非常に詳しく記事が書かれていていますが、特に興味深い部分のみを下記に訳し引用として使用させて頂きます 。
10万人以上にも及ぶ日本人が、天皇陛下が退位する前の最後の新年一般参賀を訪れた。皇室の将来については多くの人々が注目している – アイデアについては賛否両論だ
”バンザイ” という歓声と共に、日本国旗を振りながら10万人以上にも及ぶ人々が明仁天皇にさよならの挨拶をした。“Tenno” (天皇) は皇居のバルコニーから人々に、最後の新年の挨拶をした。予想以上に多くの人々で賑わっていたため、明仁天皇は家族と共に予定より頻繁にバルコニーにお姿を見せた。
tagesschau, “Akihitos Neujahrswünsche Und letztmals grüßt der Kaiser“, Stand: 02.01.2019 09:36 Uhr
…と見出し&記事が始まっています。
まずは日本の天皇制や年号について、背景知識として説明しています。馴染みのない話題についてはしっかりと細かい部分まで(”平成”の意味など)理解しようとする姿勢がとてもドイツらしいと思います。十分に理解するまで、納得できるまで知ろうとする姿勢というのはとても大事ですよね。
4月末、彼は生存中に退任する200年ぶりの天皇となる。彼が天皇を勤めた “平成” と呼ばれる時代は30年の幕を閉じる。平成とは “あまねく平和がもたらされる” という意味である。この時代、彼は “国の象徴” という天皇の新たな役割を作り上げた – 一般の人々にできる限り近い立場で共に栄えるというものだ。
TAGESSCHAU, “AKIHITOS NEUJAHRSWÜNSCHE UND LETZTMALS GRÜSST DER KAISER“, STAND: 02.01.2019 09:36 UHR
ドイツには皇族がいない?ドイツの大統領とは
ドイツには皇族はいないけれど、首相とは別に「Bundespräsident (ブンデスプレズィデント = 大統領)」という存在がいて、国の象徴的な役割を担っています。
正式名称は「Bundespräsident der Bundesrepublik Deutschland (ブンデスプレズィデント デア ブンデスリパブリック ドイチュランド)” = ドイツ連邦大統領)」といかにもドイツ語らしく長々しいです(笑)現職は、2017年3月よりFrank-Walter Steinmeier (フランク-ヴァルター・シュタインマイヤー) 氏。大統領は5年間が任期となっています。
「大統領」と聞くとものすごく政治的な存在に聞こえますが、ドイツの場合は全然そんなことはなくて、実は政治的な関わりは薄くあくまで国の象徴という存在です。
政治的な関わりと言えば、政治や社会的な議論について一般的な方向性を定めることができ、また政治的に不安定な情勢になった場合に行使できる権力を持っていること等です。
例えば、首相が要請した際には大統領が議会を解散することができるそうです。確かに日本の天皇よりは政治への関わりも若干強いかもしれませんが、とは言え基本的には国の象徴的な存在であることに変わりはないため、ドイツの大統領は日本の天皇の役割と似ているなぁと感じる時が時々あります。
戦争からの教訓を風化させない
彼の政治的遺産は、世界大戦からの教訓を決して見失わないという訓戒だ。85歳の彼は2週間程前、最後の記者会見で繰り返し述べた。“第二次世界大戦で失われた数え切れない命を忘れてはならない” “このストーリーを戦後世代に正確に受け継いでいくことが大切だ” と。
TAGESSCHAU, “AKIHITOS NEUJAHRSWÜNSCHE UND LETZTMALS GRÜSST DER KAISER“, STAND: 02.01.2019 09:36 UHR
戦争を実際に経験した人がどんどん少なくなってきている中で、仰る通り、その体験談を後の世代に正確に伝えていくことは非常に大切だと思います。
私や私の親世代も含め、実際に自分は経験していないとその恐ろしさや、二度と繰り返さないことの重要性を実感しづらい部分はあると思います。
それを補うために、私は戦争と関係の深い、世界中の歴史的な場所(例えば広島の平和記念資料館やベルリンのホロコースト記念碑など)には実際に足を運び、自分の目で見て記念館などでしっかり情報収集もしながら、その恐ろしさや犠牲者の方々の無念さを知り、忘れないよう努めています。
まだまだ訪れたことのない場所が沢山ありますが、これからもこういった訪問を続けていきたいと思っています。
Comments
Yeah right l, great stuff 😀
Sorry mate, i dont get your point