東日本大地震 海外の反応 – 福島第一原発事故よりもうすぐ8年…東電の自信や批評家の懐疑的姿勢をドイツ在住者がまとめ

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東日本大地震 海外の反応 – 福島第一原発事故よりもうすぐ8年

日本人としては忘れることなど到底できない、あの恐ろしい東日本大震災からもうすぐ8年になりますね。

「もう8年か」とあっという間に感じられる方もいらっしゃれば「やっと8年経った」と長く感じられた方もいらっしゃると思います。そこで、ドイツ在住9年の筆者が今回は海外(ドイツ)の反応をわかりやすくまとめてみました。

ドイツの国民的ニュース番組「tagesschau (ターゲスシャオ) 」でも、先週からポツポツと東日本大震災、そして「Fukushima」についての報道が見受けられるようになってきました。

原発事故はドイツ人にとっても大衝撃だった

以前にも書かせて頂いた通り、ドイツ人は東日本大震災に起因する福島第一原発事故を他国に比べて特に深刻にそして非常に批判的に受け止めました

原発事故についてはドイツ人は経験はないものの、地理的に近かった(とはいえ1,500 km以上離れていますが)チェルノブイリでの事故をドイツ人は非常によく覚えているため、また元々原子力発電という発電方法に懐疑的であったことなどが主な背景としてあげられます。

それにプラスして、大前提としてドイツは日本をよく発展した信頼できる国として好印象を抱いているため「日本ほどの国でさえ大惨事を防ぐことができなかった」と、福島の事故をものすごく恐れました。

今年はターゲスシャオではどのように報道されているのでしょうか。記事の一部を下記に訳して引用として使用させて頂きます。

福島が被災地からテクノロジークラスターへと生まれ変わる

2011年、福島で津波を起因とする原発事故の大惨事が起きた。長い時が経過する中で、働く人々が行き来するようになった – 普通の格好でだ。オペレーターであるTepco(テプコ)は楽観主義をばらまいている – 批評家たちは懐疑的だ。

Tagesschau, “Weltspiegel” aus Fukushima “Böden versiegelt – Probleme gelöst?”, Stand: 03.03.2019 07:33 Uhr, Von Ulrich Mendgen, ARD-Studio Tokio

数年前までは原発事故により瓦礫と化していた地域が、良く整備され、手入れの行き届いたテクノロジークラスター地域へと生まれ変わったそうです。一見しただけでは、8年前にその悲惨な光景により世界中を恐怖におののかせたエリアだということは、あまりにも想像し難いレベルのようです。

TEPCOはオペレーションのやり方を再整備した。そのため今日ではそのエリアのおよそ96%は普通の格好で行き来することができるようになった。

TAGESSCHAU, “WELTSPIEGEL” AUS FUKUSHIMA “BÖDEN VERSIEGELT – PROBLEME GELÖST?”, STAND: 03.03.2019 07:33 UHR, VON ULRICH MENDGEN, ARD-STUDIO TOKIO

東電(TEPCO)の自信

東電(TEPCO)曰く、地表の放射能を下げることに成功した、ということです。これは、放射能で汚染された土をスプレー状のコンクリートで固めて封印するような方法で可能になったそうです。

8年とは、もちろん長い時間ではありますが、福島原発事故のような史上最悪レベルの大惨事が起きた場所がたった8年の間にそんなにも整った、クリーンな印象を与えるエリアに生まれ変わったというのは、もちろん高い評価に値することだと思います。

トリッキーなのは、現在の放射線量ですよね。その地域の見た目は原発事故の跡地であることを全く連想させる余地がない程に改良されていたとしても、やっかいなのは放射線量は目に見えないことです。特に一般人には全くと言って良い程、判断できかねることだと思います。

批評家の懐疑的姿勢

また、記事では「コリウム」の扱いについても触れています。コリウムは高放射性で、人体にとって非常に危険な物質です。メルトダウンが進んだ際に、金属と核燃料が溶けて融合したことによりできるものだそうです。2号機にはこのコリウムがおよそ880トンもあるそうですが、これをTEPCOは再び使用できる状態に回復させて、無害な形で使用したいそうです。

具体的な方法については今現在はまだ公開されていないようですが(そもそも策は既にあるのでしょうか…?)このやり方を実現したかったら、40年程はかかるようです…!

原発関連の専門知識がないため、理解できる範囲で書いていますが、素人的に考えても40年もかかるプロセスというのは、気が遠くなりますよね…。「40年後か。自分には関係ない。」と思う方も多いのではと思います。

もちろん、危険物質を無害な形で再利用し始めるという、そんな神業(?)ができるのであれば素晴らしいとは思いますが、批評家は懐疑的なようです:

そもそも、880トンものコリウム – とてつもない量で、とてつもなく有害な物質 – を移動させることなどできない。

TAGESSCHAU, “WELTSPIEGEL” AUS FUKUSHIMA “BÖDEN VERSIEGELT – PROBLEME GELÖST?”, STAND: 03.03.2019 07:33 UHR, VON ULRICH MENDGEN, ARD-STUDIO TOKIO

世界の似たような事例 – ウクライナチェルノブイリアメリカスリーマイル島 – の場合は、ノータッチだったようです。動かすことなく、コリウムはその場で埋められたということでした。

東日本大震災は日本の運命を変えた

2011年3月11日に起きた東日本大震災は、言い方が大げさかもしれませんが、本当に日本の運命を変えた出来事だったと思います。

Fukushima」という、それまで日本人や日本に詳しい外国人しか知らなかったであろう地名が瞬く間に世界中に知られることとなりました。しかも原発事故という、とてもネガティブな理由により。

日本は過去も現在も、世界的に評価の高い国です。主に技術力、日本人の特性(勤勉、マナーの良さ、親切さ等)、利便性や衛生面を含む高い生活水準、そして知的財産(漫画、アニメ等)においてでしょうか。世界的にも有名な日本企業は多数存在します。

でも、原発事故により、確実にネガティブな印象を世界に与えたのも事実です。「地震、そして津波という自然災害に起因しているのだから、日本人は何も悪くないではないか」という意見も十分理解できます。

ただ「地震が頻繁に起きる国で、大きな津波が来る可能性も十分に予期できるエリアにある原子力発電所ながら、対策が不十分だったのは人的災害だ」という海外からの意見も一理あるのは確かです。

今言えることは、原発事故が起きてしまって、Fukushimaが世界的にネガティブな意味合いで有名になってしまったのは事実で、それを白紙にすることはできません。

過去8年間の復興の努力も含め、今後更に未来に向かって、どのようにTEPCOや日本政府、そして地元の方々だけでなく日本人全員が当事者意識を持って更なる復興、そしてFukushimaの世界的イメージの改善に努めていけるのかどうか、が焦点だと思います。

今回のドイツの反応を見てもお分かりの通り、世界はFukushimaの大惨事からの日本の完全なる復興に、大変注目しています。

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